サポート詐欺で実際に表示された画面（一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター提供）

　パソコンがウイルスに感染したとうその警告を表示させ金銭をだまし取る「サポート詐欺」被害相談が室蘭と登別両市で相次いでいる。室蘭警察署は啓発チラシを作るなどし、注意を呼びかけている。

　今年に入り管内における同詐欺の相談件数は５件（２４日現在）。２０２０年３件、２１年４件、２２年５件と年々増加し、今年は既に昨年に並んだ。

　相談者の年齢は１０～８０代と幅広く、これまでの１人当たりの被害最高額は４４万円。

　詐欺の手口はこうだ。実在する企業のロゴマークを使ってパソコン画面に突然「ウイルスに感染した」と警告文が表示される。不安をあおられた市民が「問題解決を手伝う」と記載された偽のサポートセンターに電話をかけると、ウイルスの削除費用としてクレジットカードや、コンビニエンスストアで購入できる電子マネーなどで支払いを求めるといった内容。

　同署では被害に遭わないための対処法として①警告画面が表示されたら慌てずにパソコンの電源を切る②画面に表示された番号に電話をしない③指示されたアプリやソフトウエアをインストールしないこと－を挙げる。支払ってしまった際には「クレジットカード会社や電子マネーの管理会社に連絡し相談を」と説明する。

　相次ぐ被害相談に、同署はサポート詐欺の対処法をまとめたチラシを作成。交番前に掲示するほか、警官が民家を訪れる巡回連絡などで配布し注意を促していく。小関貴史副署長は「パソコンにウイルスの感染警告が出ても慌てないこと。パソコンの電源を切り、警察相談電話＃９１１０に相談してください」と話している。

　インターネット空間での犯罪撲滅を目指す一般財団法人日本サイバー犯罪対策センターでは、サポート詐欺の手口を動画＝ＱＲコード＝で公開している。