国道２４４号沿いを歩き、ごみを拾い集める参加者

　【網走】ラムサール条約登録湿地の涛沸湖や、その周辺の優れた自然環境を守ろうと、関係団体や地域住民がこのほど、国道２４４号沿いの同湖周辺を清掃した。

　小清水町観光協会が主催、網走市や小清水町、地域の町内会や自治会、農漁協、日本野鳥の会オホーツク支部などでつくる「濤沸湖及び周辺域の環境保全推進協議会」の共催で、毎年この時期に行っているもの。網走から約１１０人、小清水から約60人の合わせて約１７０人が参加した。

　例年、参加者が小清水原生花園駐車場に集まって開会式を行っているが、今年は新型コロナ感染予防のため開会式は中止。網走側は北浜近くの国道駐車場、小清水側は原生花園駐車場に集まった後、それぞれ担当する箇所に赴いてごみを拾う形式で行われた。

　参加者はいくつかの班に分かれ、それぞれ白鳥公園から道道明生北浜線沿い、平和橋から音根内橋などの道路沿い、原生花園や湖畔の草地などを清掃した。

　また、網走漁協は小型船や胴長などを使い、国道２４４号にかかる橋から濤沸湖水鳥・湿地センター周辺までの湖内で、湖底に沈んだごみなどを集めた。

　この日は天候に恵まれ、暖かい日差しの中、まだ雪の残る斜里岳を眺めながらのごみ拾い。みな各自治体の指定ごみ袋や火ばさみを手に歩き、目に付いたごみを拾い集めていた。

　この清掃は２００６年に同協議会が実施し、翌年から地域住民などとの共催になった。今年で21年目になる。

　市などによると、網走側だけで８３０キロのごみが集まった。中にはタイヤやストーブ、洗濯機などの不法投棄もみられ、参加した人たちは「なぜこんな所に捨てるのか」と驚きながら回収していた。