函館市電の「箱館ハイカラ號」が１５日、今年度の運行を開始した。待ちわびた観光客らが乗車し、和洋折衷の建物が並ぶ函館西部地区などを走行した。

　車両は１９１０（明治４３）年に製造され、千葉県成田市で走行していたが、１８（大正７）年から函館で運行。３４（昭和９）３月の函館大火で被災せず、戦前から除雪用ササラ電車として活躍。９３年に観光電車として復元された。新型コロナの影響で２０２０～２１年は運行されなかったが、観光シーズン到来を告げる存在として活躍している。

　この日は午前１０時ごろに駒場車庫前を出発。同駅から函館どつく前などを往復した。同１０時５０分ごろ、基坂前の道道函館漁港線交差点を通過する時には観光人力車が横断歩道に差し掛かり、明治時代を感じさせるシーンが見られた。

　運行期間は１０月３１日まで（予定）の土・日曜と祝日、８月１４日と１０月３１日。悪天候時と函館マラソン開催の６月２５日は運休する。

今季の運行を開始し基坂前を通過する「箱館ハイカラ號」。手前は観光人力車（１５日午前１０時５０分ごろ）