「炉ばた」再建へ支援を 21日からCF開始【釧路】
釧路の炉端焼き発祥の店として知られる「炉ばた」(釧路市栄町3、中島レナ社長)は、焼失し休業している店舗の再建に向けたクラウドファンディング(CF)を21日から開始する。一時は廃業も考えたが地元をはじめとする多くのファンからの再建を望む声、焼き手として「名物おばあちゃん」の中島静子さん(86)が守ってきた店を復活させたいという思いで、孫で女(お)将(かみ)の実亜さん(30)が再開を決意した。
励ましの声に感謝 同店は1951年に実亜さんの大叔母に当たる島川元子さんが創業。実亜さんによると、島川さんが宮城県にある「元祖炉ばた」に訪れ、囲炉裏端で酒を温めて、提供する様子に感銘を受け、地元釧路で揚がる新鮮な魚をその場で焼き提供したいと思い「炉端焼き」を釧路で始めた。焼き手の伝統は、一代目の大学みつさんから、二代目の静子さんへと受け継がれている。実亜さんは子供の頃から同店で過ごすことが多く、学生時代は手伝いもした。企業に勤めながら、女将として店にも立っていた。
昨年8月、隣の店舗で起きた火災の被害で店内がほぼ全壊となりやむなく休業。再建するには解体や大規模リフォーム、設備の購入費などで、少なくとも総額で5000万円が必要。2020年から続くコロナ禍で思うように営業もできない期間が続き、もらい火については火災保険など一切出ず、改修資金不足となり、今回支援を呼び掛けた。
クラウドファンディングの目標額は800万円。支援募集期間は5月7日まで。返礼品は、店舗内に支援者の名前が書かれた木札の掲示や、同店オリジナルラベルの福司酒造の日本酒、ロゴ入りタオル、ロゴ入りグラス、食事券など多数用意している。
実施に当たり、釧路商工会議所や「k─Biz」などからの協力、蝦名大也釧路市長、栗林定正会頭、作家の桜木紫乃さんらから応援メッセージが寄せられた。実亜さんは「多くの人からの励ましの声などをいただき、感謝している。再開に向けて力を貸してください」と訴えている。
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