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釧路新聞

領土問題理解深めて 北方館で資料展示会【根室】

北対協が収集した貴重な資料が並ぶ展示会

 北方領土問題対策協会(諸星衛理事長、略称・北対協)主催の北方領土関連収集資料展示会が10日、納沙布岬の北方館で始まった。北方領土が日本の領土だという証しを残し、資料を公開することで北方領土問題への理解や関心を深めてもらおうという企画。同展示会は2月下旬に東京で、3月初めには大阪で開催を終えており、道内では根室のみ。

 北対協は元島民の高齢化などから北方領土関連の実物資料が散逸、消失してしまう状況にあることから同資料の収集を行っている。根室会場では、これまで協会が元島民の家族などから集めた衣類や写真など65点を並べている。

 歯舞群島・多楽島出身の故・東狐貢さんの娘さんから寄贈された「どてら」や、根室と国後島をつないでいた海底ケーブル、北方四島が描かれている江戸時代の地図などの資料を陳列。国後島の昆布干し風景や択捉島の雪遊びをする子ども、色丹島の植物、多楽島の小学校の集合写真など多くの写真も展示している。

 富山県から春休みで根室を訪れたという大学生の松尾蒼平さん(21)は展示物を見て「ケーブルのことなども知らなかったし、(北方領土が)日本の領土だということをとても実感した」と述べた。諸星理事長は「根室の人だけでなく全国からも展示会を見に来てもらい、島の近さなども実感してほしい」と話していた。

 展示会は16日までで、時間は午前9時~午後5時(最終日のみ午後3時)。期間中は千島会館午前10時30分発、午後1時30分発、北方館正午発、午後3時発の無料送迎バスを運行する。

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