自分たちで作った年輪コースターを紹介する２、３年生

　函館高等支援学校（立田俊治校長）の生産技術科の１～３年生が外部からの発注を受けて製造する、道南スギを使ったコースターが人気を集めている。縄文のＰＲを担う市民団体のオリジナルキャラクターがあしらわれ、年輪の美しさを損なわないよう、手作りにこだわって仕上げる。「温かみが感じられる」と客からも好評で、昨年５月の販売から早くも２００枚以上を売り上げた。新しい絵柄も今月から発売する予定で、生徒は「丁寧な仕事」を合言葉に作業に励んでいる。

　同校では４学科あり、うち生産技術科では作業学習として、木材加工とコーヒー豆の加工、４学科協働のカフェの運営に取り組む。

　市民団体「縄文ＤＯＨＮＡＮプロジェクト」（山田かおり代表）が同校にコースターの制作を依頼し、製造がスタートした。木材の切断、接着、研磨、塗装、レーザー加工機でのプリント、と主に５工程すべてを生徒約２０人が担う。道南スギを５ミリ厚にカットしたブロック片を、年輪の模様を最大限に生かした組み合わせで接着。数種類の紙やすりなどを使って丁寧に細部まで研磨し、ニスを３度重ねて艶と耐久性を出す。同校で導入したレーザー加工機を活用して、同団体のオリジナルキャラクター「カックー」などの絵をあしらって完成する。

　作業に当たる２年生の菊地虎太朗さん（１７）は「自分でも使いたいと思う品物を思い描いて、みんなで力を合わせて丁寧な作業をしている。木材の魅力をたくさんの人に感じてもらいたい」と話す。少数精鋭の作業で生産数に限りはあるが、その分品質には絶対の自信をのぞかせる。

　依頼する山田代表は「コースターからは縄文の魅力だけでなく、製作者の温もりも感じられる。イベントで出すとすぐに完売する。見かけたらぜひ手に取ってほしい」と呼び掛ける。

　１枚４４０円で、函館市役所本庁舎地下売店や渡島総合振興局売店で販売されている。