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十勝毎日新聞

町長・副町長 異例の激突 町長選「宇宙の町」二分か【大樹】

3月定例会に臨む(前列左から)酒森町長と黒川副町長。大樹町長選で一騎打ちが想定される

 任期満了に伴う大樹町長選(4月18日告示、同23日投開票)は、現職の酒森正人氏(63)=2期=と副町長の黒川豊氏(62)の一騎打ちになる公算が大きくなった。現職に役場ナンバー2が挑む構図は、過去の管内首長選をみても珍しい。「争点があるのか?」と指摘する声がある一方で、「宇宙の町」を二分する激戦が早くも予想されている。

 酒森氏は今期、新庁舎や認定こども園など大型事業を完成させ、スペースポート(宇宙港)関連の施設整備も推進。昨年暮れからは人口増に転じ、「ほぼ公約は達成できた」と自己評価していた。

 目立った失政はなく、後援会の顔ぶれは主要団体のトップで構成。3期目に向けては一時、無風の観測さえ漂った。

 ところが2月後半になって様相が一変。まさかともいえる事務方トップの擁立劇が水面下で進み、酒森氏自身、町村長の集まりで激しい選挙戦を示唆するようになった。

 酒森氏の後援会幹部は「とてつもなく厳しい状況。ここに至っては戦うしかない。2期8年の実績を地道に訴える」と語る。

 黒川氏擁立の中核となったのが若手の商工関係者。「宇宙の町」が発信されるのとは裏腹に空き店舗が目立つまちなかでは、商工・観光政策を中心に町政運営への不満が増幅、対立軸形成の“震源地”となった。

 とはいえ4年間、酒森氏を補佐したのは、ほかならぬ黒川氏本人。ある役場OBは「2人の政策に差はなく、年齢も近い。争点はないのに町は真っ二つになるだろう。結局は地縁、血縁がものをいう。静かに見守るしかない」と話している。

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