移動診療車の説明を受ける根室市職員

　【根室】高速大容量通信技術（第５世代移動通信システム＝５Ｇ）を活用した遠隔高度医療サービス提供実証実地体験会が２１日、市総合文化会館で開かれ、根室管内１市４町の自治体関係者約３０人が最先端技術に触れた。道内での開催は根室地域が初。

　総務省北海道総合通信局と道の主催。道内の高速通信網「光ファイバー」の整備率９９・８７％（７月２０日現在）を生かし、ＮＴＴと岩見沢市、北海道大学が同省の実証試験に取り組んでおり、この協力機関に広大な北海道らしさを体現する管内１市４町が入っていることから開催地に選ばれた。

　体験会は「ローカル５Ｇ」と言われる自治体や企業が個別に導入できる高速通信技術の提案や、地域が抱える課題とデジタル技術を提供する企業をつなぐ相談会も兼ねて開かれ、参加した通信や電子機器製造、映像機器など６社・団体の代表が新技術を紹介した。

　このうち東日本電信電話とＮＴＴコミュニケーションズは、遠隔操作で触診できる機器を展示。スポンジやガラスの違いを感じ取れる機器を活用し、札幌に居ながら根室の患者を診るといった遠隔診療の可能性をアピール。

　東京のモネ・テクノロジーズは、車両に高速通信技術を導入し、移動式の診療室や行政窓口などの活用を提案。遠隔診療を可能にする移動診察車を展示した。

　移動診療車の説明を聞いた市立根室病院事務局は「保健業務との併用で有効活用できそうだ」と興味を示していた。