観光大使に任命されたゲーンさん（右）と報告書を手に秋里副市長

　釧路市は２１日、タイ政府が実施する国外へのボランティア派遣事業「ＦｒｉｅｎｄｓＦｒｏｍＴｈａｉｌａｎｄ（ＦＦＴ・フレンズフロムタイランド）」の一環で釧路市に着任し、任期満了で母国へ戻ることとなったゴーラワン・コーサギッチャールートさん（通称・ゲーンさん）を、釧路観光大使に任命した。市の観光大使に外国人が任命されるのは初めて。

　ゲーンさんは２８歳でバンコク出身。在タイ日系旅行会社などに勤務経験があり、これまでにも東京五輪関連事業やタイテレビ局、ブロガーによる訪日旅行の通訳などにも従事した。９月２７日からはＦＦＴ日本派遣第１号として、市阿寒湖温泉地区の観光振興のため、インターネット交流サイト（ＳＮＳ）などを通じて情報発信を行ってきた。

　２２日に任期満了となることから、２１日にはゲーンさんが市役所を訪れ、秋里喜久治副市長らに３カ月の成果を報告。同温泉地区を中心にさまざまなアクティビティーや自然美、食を巡った経験を基に、タイからの旅行者に向けたモデルルートを構築したほか、自身のフェイスブック（ＦＢ）などで行った情報発信の成果などを披露した。

　さらに、タイではＦＢの利用が最も多いことから、タイ人に親しまれやすいＦＢのファンページをつくるための提案書や、タイの旅行マーケット情報を取りまとめた報告書なども提出した。

　秋里副市長は「短期間で素晴らしい報告書をまとめていただいたことに感謝するとともに、今後も継続的にタイから人材をお招きできれば」と評価。「地域にも積極的に入り込んでくれ、釧路とタイがとても近くなった気がする。まずは元気に過ごしていただけて良かった」と労ををねぎらった。

　ゲーンさんは「温泉街の人々はとても優しくて、いろいろな所に連れて行ってくれたことが本当にうれしかった」と振り返った。観光大使に任命されたことについては「タイに帰っても釧路のことをもっと勉強して、たくさん情報を発信していきたい。また釧路に来ることを楽しみにしている」と話していた。