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野生鳥獣被害は道南で1億4400万円 エゾシカ依然多い【函館】

 道がまとめた2021年度の野生鳥獣(海獣類を除く)による農林水産業被害状況は、道南全体で前年度比1100万円増の1億4400万円となった。渡島管内は前年と同じ5500万円、桧山管内は同1100万円増の8900万円で、全道14振興局中13位と11位だった。

 全道は同8%増(4億1000万円増)の54億5000万円となり、全体の8割を占めるエゾシカの被害が膨らんだことが要因で、2年連続の増加。

 鳥獣別の被害金額は、エゾシカが44億8000万円(前年度40億7000万円)、次いでカラス類が2億7000万円(前年同じ)、ヒグマが2億6000万円(同2億5000万円)、キツネが1億7000万円(同1億4000万円)、アライグマが1億5000万円(同1億4000万円)と、カラス類を除きいずれも増加した。

 特にエゾシカの被害金額は、11年度の64億円をピークに年々減り、現在は3割程度減少しているものの、21年度は前年比10%(4億1000万円)増の44億8000万円。渡島は3800万円(同4300万円)、桧山は4800万円(同4600万円)だった。

 エゾシカの被害金額は渡島、十勝で減少したが、他12振興局で増加。被害額の多い上位3振興局は、釧路が12億8000万円、上川が5億3000万円、オホーツクが5億1000万円。

 エゾシカによる作物別の被害金額は、多い順に牧草が18億7000万円で全体の4割を占め、次いで水稲(3億8000万円)、ビート(3億5000万円)、ジャガイモ(3億2000万円)、家畜飼料用トウモロコシ(3億円)、小麦(1億8000万円)で、根菜類や大豆、小豆、食用トウモロコシは減少した。

 エゾシカ被害は、国の交付金を活用し、捕獲活動や侵入防止柵の整備など総合的な対策が全道各地で進んでいる。

 道野生動物対策課は「エゾシカやヒグマなど、被害が顕著な野生動物の管理計画に沿い、しっかりと対策を進めたい」とし、桧山振興局は「せたな町が町鳥獣被害防止計画に合わせ、被害額の計算方法を見直したのが増加要因と考えられる。管内はヒグマ(1700万円→3100万円)による被害額の伸びが目立つほか、エゾシカも微増しており、町と連携し被害拡大を着実に食い止めたい」(環境生活課)としている。

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