「防災小説」取り組み、音別中など全国の5校交流
大地震や津波が起きたと想定し、その情景や自身の行動を物語にする「防災小説」に取り組む全国の5中学校の交流会が16日、オンライン形式で開かれた。釧路市からは市立音別中学校(木村郁夫校長)の1年生2人が参加。地域性の違いを学びながら、防災への見識を深めた。
この交流会は昨年に続き2回目で、防災小説を考案した慶應義塾大学の大木聖子準教授の研究室などが主催。同校ほか埼玉県川越市立霞ヶ関西中、東京都中央区立晴海中、愛媛県愛南町立御荘中、高知県土佐清水市立清水中が参加した。
防災小説は災害を自分の問題として捉え、適切な避難行動につなげることが目的で、結末は前向きであることがルール。新たな防災教育のツールとして注目され、音別中では1年生が総合的な学習の時間で防災小説を作成している。
この日、同校から参加したのは轡(くつわ)田(だ)華(か)音(のん)さん(12)と尾形優芽さん(13)で、交流会では各校の代表とともに轡田さんが発表。内容は9月7日午後7時37分に友人とスマートフォンでオンラインゲームをしていると緊急地震速報が表示され、直後に釧路沖を震源とするマグニチュード8・5、震度6の地震が発生。友人の無事が確認できたが通話は途切れた。電柱が傾き、道路のひび割れなども発生している中、愛犬を含め、家族全員で指定避難場所に避難し友人らと再会。話をしながら安心感が湧き涙が流れたというもの。地震直後に恐怖で足が震えたことや、避難施設で必死に説得して愛犬を入れてもらえたことなど、細かな描写を盛り込んだ。
発表を終えた轡田さんは「緊張したが、ペットも家族と一緒に避難させることや避難施設で受け入れ態勢を整える必要があること、友達との通話が途切れても焦らず行動するという思いを伝えることができた」と笑顔を見せた。
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