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函館新聞

道南の特殊詐欺 今年9月まで被害額9100万円 高額の被害増加【函館】

 道警函館方面本部によると、今年1月から9月末までに管内で認知した特殊詐欺件数は10件、被害額は9100万円(ともに暫定値)に上り、昨年1年間(認知4件、被害額540万円)を大幅に上回っている。中でも数百、数千万円単位の現金がだまし取られる被害が相次いでおり、さらなる被害拡大防止が急務となっている。

 10件の内訳は架空料金請求詐欺が7件、還付金詐欺が3件。特に架空請求詐欺による高額の被害が多く目立ち、函館中央署管内では1~2月に北斗市内の60代女性が現金1950万円、6~8月に函館市内の70代女性が5900万円をだまし取られた。

 10月には函館西署管内で市内の70代女性が1億5000万円の被害に遭い、道内での1人あたりの被害額としては今年最高額となった。また、木古内署管内などではオレオレ詐欺事件も発生し、道南各地で被害が拡大している。

 手口には老人ホームの入居権を巡る「名義貸し」が多い。不動産会社社員や弁護士、裁判所職員を名乗る人物などから電話で「名義貸しは違法だ」などと言い、犯人側が指定する場所に現金を複数回にわたり宅配便で送らせるといった手口が横行している。

 同本部生活安全課の前田勝也次席は「不審な電話が来たら必ず家族や知人、近所の人など誰かに相談を」と強調する。ただ、「違法だ」「警察に捕まる」などと言われると家族に迷惑がかかると思い、警察への通報や相談をためらうケースもみられるといい、「被害に遭う前に警察相談電話(♯9110)に遠慮なく通報を」とする。

 特殊詐欺の防衛策として▽知らない番号からの電話には出ない▽電話を受けておかしいと思ったら一方的にでも切る▽相手の話をうのみにしない▽個人情報(住所や氏名など)を教えない―などがある。同本部では、併せて自宅の固定電話に録音機能や着信相手の電話番号が表示されるナンバーディスプレー機能を付けることも推奨している。

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