従業員に事業再生に向けた意気込みを語る藪ノ社長（左）

　飲食人材サービスを手掛けるクックビズ（大阪市、藪ノ賢次社長）は３日、水産加工品製造の久一米田商店（函館市川汲町）の事業を継承する完全子会社「きゅういち」（同社長）を発足させた。久一米田商店は昨年８月に函館地裁に民事再生法の適用を申請し、経営再建中だった。

　クックビズは２００７年に設立、１７年に東京証券取引所に上場し、飲食関連業に特化した人材紹介や求人サイトの運営などを手掛けている。今回の事業承継は、同社の食関連事業再生ビジネスの第一弾。新会社が久一米田商店の従業員と資産を引き継ぎ、負債を切り離す形で実施した。

　新会社発足に当たり、藪ノ社長が従業員５０人を前にあいさつし「雇用は維持するので安心してほしい。皆さんと一緒に良い会社にしていきましょう」と呼び掛けた。藪ノ社長は「主力事業のホタテの引き合いが強く、外部環境は良好。クックビズの人材事業ノウハウを活用して人材採用を強化したい」と再生に自信を示す。

　久一米田商店は南茅部地区を代表する水産加工業者で、今年４月期の売上高は１２億５３００万円を見込む。「きゅういち」は同社の事業と資産をそのまま継承。老朽化した設備を計画的に更新していくほか、ホテルやブライダル業界、飲食店などへの販路開拓も目指す。