気象庁は１日、全国の８月と夏（６～８月）の天候状況をまとめた。８月の北日本は前線や湿った空気の影響を受け降水量が多くなり、函館の月降水量は４８１・５ミリで８月として統計開始の１８７２年以降で最大。夏の降水量も多く推移し、函館７１１・５ミリ（平年比１９８％）、江差５８９・５ミリ（同比１５８％）はともに過去最大となった。

　８月は、偏西風が日本海北部で南に蛇行したため、北日本と東日本日本海側で低気圧や前線の影響を受けやすくなった。１ミリ以上の降水があった日は函館で計１７日、江差計１８日。８日の大雨では、１時間降水量が函館空港８１・５ミリ、函館市美原６４・０ミリを記録しともに過去最大となり、渡島では床上・床下浸水が発生し道路の通行止め、鉄道の運休が相次いだ。

　１６日の大雨では、今金町で１時間降水量が４４・０ミリ、一日の降水量が１７４・０ミリでともに８月として最大。せたなでは一日の降水量が１０９・０ミリで過去２番目を記録。床下浸水や農業被害があった。

　気象庁の速報値によると、渡島・桧山の１４地点で月降水量が平年の倍以上となり、函館空港、知内町、木古内町、今金町、奥尻町奥尻、上ノ国石崎の月降水量が年間を通して過去最大となった。

　月平均気温は、函館２２・４度（平年比０・３度高）、江差２２・８度（同０・２度高）、月日照時間は函館１３０・９ミリ（同８８％）、江差１５５・５時間（同９４％）でいずれも平年並み。

　夏の北日本は３カ月を通して低気圧や前線の影響を受けやすく、降水量が多くなった。平均気温は函館２０・３度（同０・８度高）、江差２０・５度（同０・６度高）で高かった。日照時間は函館４３０・３時間（同９５％）、江差４７７・３時間でともに平年並みだった。