RAV Vast奏者谷口紗代さん 10月に函館でライブ【函館】
ロシアのメーカーが開発した現代楽器「RAV Vast(ラヴァスト)」の演奏者で、旭川市在住の谷口紗代さんが函館での演奏会の準備を進めている。音階のある打楽器で心地良い音色が響く楽器で、友人で函館のピアノ講師、宮腰史江さんと共に癒やしのサウンドを届ける。
谷口さんは、道教育大学函館校卒。在学中の2001年には第22代ミスはこだてとして函館のPRを担った。卒業後はNHK函館放送局にリポーターとして勤務。宮腰さんも道教育大出身だが、2人はNHKで出会った。
ラヴァストは、ロシアの都市ペルミのメーカーの製品で2013年に誕生。直径50センチ、重さ7キロほどの鋼鉄製で〝どら焼き〟型。1台に9~10カ所、たたく場所があり、スリットの大きさで音階が異なる。手やマレットを使い演奏し、ラヴァストを複数台用いることで、より複雑な音を奏でることもできる。
谷口さんが楽器を知ったのは20年。大病を患った後、癒やしを求める中で独特の音色に出合った。音楽経験はほとんどなかったが「簡単に弾け、持ち運びできる楽器」として購入。国内で演奏活動をしている人は非常に少なく、インターネット動画を通じ独学で演奏方法を身につけた。
函館を離れた後も、友人として長く付き合ってきた宮腰さんは同年秋に谷口さんから「アレンジやってみない?」と楽譜を手渡され「生の音を聞いたことがないので、音の大きさも分からず、試行錯誤だった」と話す。
2人の共作で楽曲制作が進み、昨年6月には1枚目のCDアルバム「暁の女神」を発売。今年6月には谷口さんのソロアルバム「雨音」を出した。旭川や札幌などでも演奏活動を行う。8月には谷口さんが函館に滞在し、2人で3枚目のアルバム制作の準備を進めた。2人は「一緒に何かやりたいねと、ずっと話していたが音楽だとは思わなかった。(互いに)細かい説明をしなくても考えを共有できている」と笑う。
10月1日には湯川町の「Tune Hakodate」で函館初ライブを計画。谷口さんは「函館は第二の古里でかけがえのない経験をした大好きな場所。函館ライブを楽しみにしている」と話している。
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