釧路市出身の漫画家板垣恵介さんによる人気格闘漫画「刃（ば）牙（き）」シリーズに登場する、主人公「範馬刃牙」の家を再現した２４分の１スケールのジオラマが３、４の両日、釧路フィッシャーマンズワーフＭＯＯ２階に展示される。両日開かれるポップカルチャーフェス「釧路スタジオ２」の一環で、東京以外での展示は初めて。

　刃牙シリーズは、１９９１年の「グラップラー刃牙」を皮切りに、タイトルを変えながら３０年以上連載が続いている。ジオラマは同シリーズを連載している週刊少年チャンピオン（秋田書店）の創刊５０周年を記念し、クラウドファンディング（ＣＦ）で制作費などを募り、２０１９年に作られた。

　ジオラマの作者は、小さな箱の中に森や街などの情景を模した「箱庭」を多数手掛ける神戸市在住の「すこっつぐれい」さん。秋田書店の依頼を受け、４５日ほどで完成させたという。材料は木製合板やプラ板、レジンで、アクリル絵の具で塗装した。刃牙の家の特徴である、「覚悟しろよテメエ」「刃牙死ね！」など刃牙を恨む不良たちによる落書きはデカールや手書きで再現した。

　すこっつさんは「依頼を受けるまで原作を読んだことがなかったので、４５日のうち２週間ほどは身内の協力を得て３０巻近くを徹底的に読み込み、世界観を作り上げた」と制作時の苦労を振り返り、「進化した緻密なジオラマをぜひお楽しみください」と話していた。

ジオラマを眺めるすこっつぐれいさんと、展示を依頼した釧路市内の老舗模型店「ミヤケ模型」の三宅一明社長（左から）