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釧路新聞

戦後復興見守った旧花咲小東門 保存か廃棄か【根室】

かつては正門だった「東門」。一度は捨てられながら救いの手が差し伸べられたが…

1947(昭和22)年当時の卒業写真。左端中央に写っている(100周年記念誌から)

 創立146周年を迎える花咲小学校。校舎老朽化のため、この春、栄町から駒場町の旧啓雲中学校校舎へ移転した。栄町の校舎は今年度解体の運命にあるが、花咲小OBらの間で話題となっているのが「東門」の存廃問題だ。もともと職員玄関前にあった「正門」は、1970年代の木造校舎から鉄筋コンクリート校舎への転換のタイミングで捨て去られていた経緯を持つ。根室の戦後復興を見守ってきた生き証人の「門」は、再びの岐路に立っている。

 現在の栄町校舎(一部は67年度完成)は、木造校舎老朽化のため72年度から4年計画で建てられた75年度完成の校舎だ。当時の「正門」は木造校舎解体と新校舎建設工事作業のために取り払われていた。

 市内の歴史などに造詣が深く、当時花咲小の教員(69~79年度)だった元柏陵中学校長で根室スポーツ協会長の吉岡教之さん(75)が当時の経緯を覚えていた。「産廃処理場に捨てられているという市民からの通報で、当時のPTA会長らが処理場から救い出した」とし、すでに新しい正門が完成していたため、創立100周年記念事業の一環で「東門」として存続することになったという。

 市教育委員会によると、この東門は「大正時代のデザイン」とのこと。45年7月の根室空襲で全焼した校舎は2年後に完成、「門」は正門として当時の卒業写真にはっきりと写されているが、戦前の34(昭和9)年、35年当時の写真にも「らしきもの」が写る。29年に完成した4代目と思われる校舎は「ロシヤ風のモダンな校舎」だったとされ、大正ロマンが取り入れられたコンクリート製の門が焼け残っていた可能性もある。

 市教委は、議会でも存廃が議論となった「東門」について「検討中」だ。重さ約3㌧、それこそ老朽化でもろさが露呈している。つり上げても破損の可能性がある上に、「残すだけ残しても、後にごみとなって捨てられては意味がない」と活用方法に頭を悩ませている。

 24日に一般公開  ○…市教委は解体を予定している栄町の旧花咲小校舎の一般公開を予定している。24日午前9時~午後5時まで。

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