スルメイカ6月47トン ワースト4位タイの低水準【函館】
函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場での6月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年同期の1・8倍の47トンとなった。前年より21トン増えたものの、統計の残る2005年以降では、20年と並んで過去4番目に少ない数量だった。漁が解禁された6月の100トン割れは6年連続で、依然、低水準を脱していない。
同部によると、1キロ単価は同6%(60円)安い951円。取扱金額は同70%増の4471万円。出漁日数は昨年より3日少ない14日で、6月後半のしけが響いた。同部は「上旬に8・6トン、中旬に12・8トン、下旬に25・6トンの水揚げがあった。下旬だけで昨年1カ月(26トン)に匹敵し、1回あたりの水揚げ量が多かった。単価の下落は水揚げ量が回復したため」とみる。
6月単月の取扱量を見ると、17年の96トンから100トンを下回り、18年31トン、19年42トン、20年47トン、21年は26トンと最低を更新していた。
函館市中島廉売内の紺地鮮魚の紺地慶一社長(60)は「6月は漁獲があまり振るわなかったが、7月に入って徐々に上向いている。サイズは胴長20センチと小ぶり。燃油代が高くて漁師は大変なので、何とかたくさん捕れてほしい」と願う。
道総研函館水試の試験調査船「金星丸」(151トン、イカ釣り機5台、集魚灯20灯)が6月14~21日に道南日本海5地点で実施した漁獲調査では、イカ釣り機1台1時間当たりの漁獲数は平均0・22匹だった。昨年7調査点の平均(0・37匹)と、過去5年の平均値(7・94匹)を下回り、10年以降で最低だった。
同水試の三原栄次主任主査は、6月の漁獲状況について「秋生まれ群の資源量は昨年より良いが、低水準の範囲内。群れの道南への本格的な来遊が見られなかった」と指摘した上で「当面は大漁は見込めないだろう。ただ、新潟や山形で好漁が続いており、秋生まれの主群が日本沿岸を北上してくれば、函館近海で漁獲が上向く可能性がある」としている。
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