アイヌの生活克明に描く 市立函館博物館で平沢屏山生誕200年企画展【函館】
江戸時代後期から明治にかけて函館を拠点に活動し、アイヌの生活をモチーフとした作品を数多く残した絵師、平沢屏山(1822~76年)の生誕200年記念企画展「平沢屏山とその時代」が、市立函館博物館(青柳町)で開かれている。同館は「当時のアイヌの生活様式などが克明に描かれた作品を多くの市民に楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。10月28日まで。
屏山は、現在の岩手県花巻市に生まれ、1846年ごろに弟と共に函館に移住し、船乗りのために絵馬を描いて生活をしのいでいた。やがてアイヌと接する機会が増えたことからアイヌの生活を描いた風俗画を手掛けるようになり、代表作である市指定有形文化財「アイヌ風俗十二ケ月屏風」など数多くの作品が生み出されていった。
同館で屏山の作品をまとまった形で紹介するのは40年ぶりで、同館と市中央図書館が所蔵する約70点を展示。作品からはアイヌの生き生きとした表情が読み取れると同時に、使用する用具などが詳細に書き込まれるなど、当時のアイヌの生活ぶりがダイレクトに伝わってくる。同館では「屏山の作品を一堂に楽しめる貴重な機会。函館に生きた偉大な芸術家の作品をじっくりと味わってほしい」と話している。
入館料は一般300円、大学・高校生は200円、小・中学生は100円。市内の小中学生は無料。開館時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。月曜定休日。16日と8月13日は午後1時~3時に学芸員による展示解説セミナーを実施する。希望者は当日、直接会場へ。
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