【日高】任期満了に伴う３月22日告示の町長選で、現職の大鷹千秋氏（65）が無投票で再選した。大鷹氏に２期目の町政に懸ける思いや人口減少が続く町の活性化に向けた施策を聞いた。

　―１期目４年間を振り返ってください 　大鷹町長　スローガンで『まちを元気に！』ということで、住民のみなさんと関りをたくさん持ち、いろいろな意見を出してもらい参加した人たちが主体的に実質的に理論に関わっていく。それが協働でまちを元気にするようになると考えていた。就任５カ月後に胆振東部地震が発生して対応に追われ、この２年間は新型コロナウイルスの影響もあり、人との対面が制約されてしまい、思い描いていたようにはいかなかった。不完全燃焼に終わった分、２期目も同じスローガンで思いを達成しようと思っている。

　―「協働のまちづくり」ということを公約に掲げていますが、どのように実現していく考えですか 　大鷹町長　①大きな事業として富川地区で複合施設整備を計画している。行政側の注文は、行政機能事務所とバスターミナル機能を置くこと。行政だけでプランニングするだけでなく、公募で集まった若手経済人「富川市街地づくり隊」がアイデアを出し合い、基本的設計を決める段階にも関わってもらっている。議論し合う中でエネルギーがどんどん生まれてきていることを感じる。それが町を活性化する根源になる。大小さまざまな政策で住民が主体的に関わる機会を多く作っていきたい。

　②門別小・中学校の改築については、両方の学校とも劣化が激しく、小中一貫校を視野に基本構想をまとめている段階。総合教育会議で学校の形態・場所などを含めて検討し、基本的なプランをあらかじめ用意して、保護者、教育関係者、子どもたちに意見を出してもらい、基本設計にも関わってもらいたい。 　―人口減少などの問題もあるが、どのような町づくりを目指していますか 　大鷹町長　なるべく減らさない努力はいろいろなことを考えなければならない。子育て世代が定着しやすいような施策をとってサポートしていく。若い世代にこの町に残ってもらいたい。人口が少しずつ減っているが、「何か元気がある」「活力が落ちない」町づくりを考えていきたい。

　―防災対策の方針は 　大鷹町長　災害はどうしても起こってしまうもの。洪水は、二風谷ダムや平取ダムの完成である程度防ぐことができる。（今後起こるであろう）巨大地震にむけて、津波対策・対処をしていかなければならない。短時間で高台に逃げることが先決だ。 　自治会の助けをかりながら自主防災組織を増やしたり、訓練を実施するなど対応も必要。道路改善にも財源が必要になる。迅速に高台へ避難できる方法をみんなで考えていかなければならない。

　―中心市街地から遠い地区、買い物困難者への施策は

　大鷹町長　きっかけは厚賀地区にあったＪＡ門別の店舗がなくなったこと。車を使えない人へ富川まで行ける循環バスを考えている。ただどのくらいの人が利用してくれるか地区対象にアンケートをとり便利になるよう考えていきたい。事前調査を行い町民のニーズに応えていきたい―と話した。

２期目の町づくりに意欲を見せる大鷹千秋町長