界ポロト オープン 星野リゾート アイヌ文化体感できるサービス提供 白老
総合リゾート運営会社の星野リゾート(本社長野県軽井沢町)は14日、白老町のポロト湖畔で高級温泉旅館「星野リゾート 界(かい)ポロト」を開業した。民族共生象徴空間(ウポポイ)に隣接する施設は、ポロト湖や樽前山が見渡せる42室を備え、アイヌ文化を体感できるこだわりのサービスを提供する。「界」は全国で展開する同社の温泉旅館ブランドで、道内に開設するのは初。
施設は鉄筋コンクリート造り4階建て、延べ床面積約4900平方メートル。「ポロト湖の懐にひたる、とんがり湯小屋の宿」をコンセプトとし、湖にせり出した露天風呂付き温泉入浴施設を特色とした。
アイヌ文化をイメージに設計した建物のラウンジには、昔の暮らしの雰囲気を醸し出す炉を設置。炉を囲み、アイヌ民族が身に着けていた魔よけのお守り作りを体験してもらうサービスを宿泊客に提供する。湖に面した客室は伝統的家屋「チセ」をモチーフとし、壁にチタラペ(ござ)の模様をデザインしたり、アイヌ文様を施した工芸品のインテリアを飾ったりと、随所で伝統文化が感じられる工夫を取り入れた。
湖を一望できる露天風呂を備えた別棟の浴場施設は、アイヌ民族の伝統的建築・丸太組み3脚構造「ケトウンニ」を参考に建設。湖上で湯小屋が集落のようにたたずむような景観をつくった。湖畔の湯小屋とは別に、日帰り客が利用できる洞窟風の内風呂も設けた。2カ所とも茶褐色が特徴のモール温泉が堪能できる。
宿泊者の食事は、毛ガニやサケなど北海道の食材を生かした会席料理。アイヌ民族が使った丸木舟をモチーフにした器に盛り付けるなど、演出も楽しんでもらうようにした。
同社はオープンを前に13日、報道向けの内覧会を開き、「地域の文化や温泉、北海道の美食など、こだわりのおもてなしを提供したい」と述べた。道内外から予約が入っており、「予約客の半数が道内客。当面、60%ほどの稼働率で運営していきたい」と言う。
宿泊料(1泊2食付き)は、2人1室利用で1人当たり2万8000円から。予約や問い合わせは、界予約センター 電話0570(073)011。
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