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十勝毎日新聞

朝日に輝くジュエリーアイスのアート【豊頃】

村中さん(左)が制作したジュエリーアイス・アート(2日午前8時ごろ、浦島久さん撮影)

 豊頃町内の大津海岸に打ち上がる「ジュエリーアイス」が、一人の彫刻家の手によって自然に溶け込んだ氷の芸術「ジュエリーアイス・アート」として脚光を浴びている。

 制作に励んでいるのは、幕別町在住で本別勇足中教諭の村中鉄也さん(50)=東京芸術大学大学院修了、平原社美術協会会員=。ジュエリーアイスの名付け親で豊頃町観光大使を務める浦島久さん(69)の父で写真家の甲一さんの没後20年に合わせて帯広市内で開かれた写真展に足を運んだ際、浦島さんと知り合って今回の企画が実現した。

 制作は昨年12月19日に始まり、25、26、29日と足を運んだ。5回目となった1月2日は午前5時半ごろに浜辺に到着。氷点下16度まで冷え込み、漂着した板状の氷の中から20枚ほど選んでのこぎりで氷を削ったり、互い違いに組み合わせたりして高さ約1・7メートルの作品を完成させた。アートのタイトルは「Cathedral(大聖堂)」で、村中さんは「荘厳さをイメージした。5日目にして一番の出来かな」と手応えを話す。

 このアートは波や風の影響で割れ、太陽の熱で跡形もなくなり、ジュエリーアイスのはかなさを伝えている。制作工程を写真に記録している浦島さんは「アイデアを形にする技術が素晴らしい」と舌を巻き、村中さんは「空や海、周囲の環境すべてが自分にとってのアート。最終的に大きな氷塊を使ったアーチ状のものをつくりたい」とし、今後も通い詰める予定だ。

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