軽トラに野菜を積み込み室蘭で販売する舘山さん＝１２月、ひまわりＳ室蘭店駐車場

週末開店「消費者の声聞きたい」

　伊達市弄月町の舘山農園（舘山大揮さん経営）が１０月下旬から室蘭市内で、軽トラに野菜を満載し販売する「農家の出店」をスタートした。土曜、日曜限定。自慢のおいしい野菜をＰＲしながら「消費者の生の声を聞きたい」と市民らと交流している。徐々に地域に浸透し、客は日に日に増えている。

　舘山さんは群馬県出身の３９歳。東大卒、東大大学院を修了。医療品・医療機器の大手に勤め、再生医療の研究員として活躍した。札幌に転勤時に北海道の農家の規模の大きさに心を打たれ農業の道へ。昨年４月に伊達市内で新規就農した。

　室蘭への移動販売は地産地消と、直接販売することで消費者の反応を見たい－と始めた。販売は土曜日が輪西町のひだまりの森来夢前で午前９時～午後１時、日曜日は、中島町のパチンコひまわりＳ室蘭店駐車場で午後１～４時。場所はそれぞれ無償で提供を受ける。

　荷台には自身の農園で収穫した野菜以外に伊達、壮瞥の農家仲間の協力も得て並べる。フードロス解消のため、規格外も並べ値段も安く設定。１２日のひまわりＳ室蘭店駐車場の販売では１５種類ほどを並べ、各１００円で販売。開店から多くの市民らが詰め掛け、ブロッコリー詰め放題などが人気だった。中島町の７５歳主婦は「安くて新鮮。次も来ます」と声を弾ませる。

　年内は２６日まで。年始めは８日から再開する。しばらくは全品１００円で提供する予定だ。消費者と笑顔で会話を弾ませる舘山さん。「安さだけじゃなく味でリピーターが来てくれうれしい。お客さんと話すことで、『しっかりしたものを作らなきゃ』と気も引き締まります」と話している。