帯広畜産大学内の酒蔵「碧雲(へきうん)蔵」(帯広市稲田町西2線15)で醸造を手掛ける上川大雪酒造(上川管内上川町、塚原敏夫社長)は23日、今年収穫の新米を使った日本酒のお披露目会を開いた。参加者は、この日のために作られた料理と一緒に、新酒の味わいを楽しんだ。
同社は十勝の企業らと十勝緑丘(りょっきゅう)=帯広市=を立ち上げ、昨春に碧雲蔵を開設。全国で唯一、大学内にある酒蔵が2年目を迎え、今期の日本酒の初搾りも無事に終えた節目として「酒蔵の開設に相談に乗ってくれた方々や支援者ら」(塚原社長)約50人が集まった。
この日、振る舞われた日本酒は、今月8日から販売が始まった「十勝純米 初しぼり 生」(720ミリリットル、1320円)。高品質の道産酒造好適米「彗星(すいせい)」を原料に、同大客員教授の川端慎治マエストロ(総杜氏=とうじ)の管理で、力強さとキレ味を併せ持つ仕上がりになった。
「碧雲蔵・新酒まつり 日本酒と食のマリアージュ~三国シェフを迎えて」と銘打ったお披露目会は、世界的なフランス料理シェフ三國清三氏(上川大雪酒蔵グループ最高顧問)や、「北海道イタリアン」の第一人者堀川秀樹氏らが創作料理を提供。有塚利宣JA帯広かわにし組合長の乾杯の発声を受け、参加者は新酒や料理を楽しんだ。
来賓の奥田潔帯畜大学長は「教育研究機関に酒蔵を誘致してから2年。碧雲蔵で新酒を味わう会を開催できるまでに発展した。心からお祝いしたい」、米沢則寿市長は「十勝・帯広の地域の歴史と資源にマッチした魅力が誕生した。その魅力を発信していきたい」との言葉を寄せた。
また、塚原社長は「地域の振興に資する会社として進んでいきたい」とあいさつ。函館市内で建設が進む同社3カ所目の酒蔵「函館五稜乃蔵」は「25日に竣工式、酒造りは12月から始める」とし、「来年は、上川・十勝・函館の飲み比べができるようになる」と今後の展望も話した。
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