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道南鳥獣被害が1・3億円 エゾシカ微増【函館】

 道が公表した野生鳥獣(海獣類を除く)による全道の農林水産業2020年度被害額は、前年度比7%増(3億円増)の50億円となった。全体の8割を占めるエゾシカの被害が微増したことが要因で、2年ぶりの増加。渡島管内は同900万円増の5500万円、桧山管内は5800万円増の7800万円。全道14振興局のうち渡島は12番目、桧山は11番目に多かった。

■渡島5500万円で12位 桧山7800万円で11位

 鳥獣別の被害金額は、エゾシカが40億7000万円(前年度38億円)、次いでカラス類が2億7000万円(同3億2000万円)、ヒグマが2億5000万円(同2億2000万円)、アライグマが1億4000万円(同1億2000万円)、キツネが1億4000万円(同1億2000万円)と、カラスを除きいずれも増加した。

 特にエゾシカの被害金額は、11年度の64億円をピークに年々減り、現在は4割程度減少しているものの、20年度は前年度に比べ微増の40億7000万円。渡島は4300万円(同2800万円)、桧山は4600万円(同800万円)と増加傾向が鮮明になった。

 シカの被害金額は、4振興局(胆振、日高、宗谷、根室)で減少したが、空知、石狩、後志、渡島、桧山、上川、留萌、オホーツク、十勝、釧路では増加。被害額の多い上位3振興局は、釧路が11億7000万円、十勝が5億2000万円、オホーツクが4億9000万円の順。

■エゾシカ被害は牧草、水稲、ビート

 エゾシカによる作物別の被害金額は、牧草が17億3000万円で全体の4割を占め、次いで水稲(3億3000万円)、ビート(3億2000万円)、ジャガイモ(3億1000万円)、家畜飼料用トウモロコシ(2億5000万円)、根菜類(1億8000万円)の順となった。ジャガイモや根菜類、ビートで被害額が増加し、金額は小さいがトウモロコシ、葉茎菜類でも増加が目立つ。

 エゾシカ被害は、国の交付金を活用し、捕獲活動や侵入防止柵の整備など総合的な対策が全道各地で進んでいる。

■シカ対策で電気柵効果的

 渡島総合振興局は「道南ではエゾシカの生息数が増え、被害額の増加につながっている。電気柵の設置が効果的で、捕獲と並行し被害状況に応じ整備を進めたい」(環境生活課)としている。桧山振興局は「管内ではエゾシカ(800万円→4600万円)とヒグマ(700万円→1600万円)による被害額の伸びが目立つ。シカはジャガイモ、クマは家畜飼料用トウモロコシを食べるケースが最近見られる」とする。

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