元町にワーケーション拠点 東京の企業がオフィス開設【函館】
テレワークなどのシステム開発を手掛けるe―Janネットワークス(東京、坂本史郎社長)は、同社のワーケーション制度の利用拠点としてサテライトオフィスを函館市元町に開設した。同社は公立はこだて未来大(片桐恭弘学長)と連携し、テレワークでのより良い働き方を実現するツールの開発を進める「ミライノオフィスプロジェクト」も始動させた。
同社は2000年に設立。テレワークプラットフォーム「カチャット」などを開発し、社内で02年から先進的にテレワークを導入。場所や時間にとらわれない働き方を追究し、社員のワークライフバランス向上に努めてきた。20年2月からはテレワークを基本勤務形態とし、社員が遠隔地で働くワーケーションを推進。事務所は東京本社のほか、大阪、高知、インドに設置し、函館サテライトオフィスで5カ所目。元町の旧喫茶店の建物を活用し、今年7月に開設した。
開所、運用開始にあたり、12日に同所で「ワーケーションと産学連携に関する発表会」を開催し、坂本社長、片桐学長、函館市の谷口諭副市長らが出席。坂本社長は同所から市内が一望できる景観の良さからサテライトオフィスの設置を決めたとし「函館は魅力的で、みんなが行きたがる街。大学もあり、産学連携の可能性もある」と開設の経緯を説明。
同社と未来大が共同で進めるミライノオフィスプロジェクトでは、同大で人間と機械が情報をやり取りする装置などの「ヒューマンインタフェース」の研究を進める平田竹川研究室と連携。着用者の表情を読み取り、モニターに映し出す「デジタルカメン」などの技術を活用し、テレワークにおける新たなツールの開発に取り組む。プロジェクトは24年までの3カ年の計画。
発表会であいさつした谷口副市長は「全国数多くある地域から函館を選んでいただきうれしい限り。オフィス開設、ワーケーションの実践は関係人口の増加や企業誘致につながる」と期待を寄せ、片桐学長は「コロナ禍でネットワークの活用が当たり前の時代になった。今回を貴重な縁と捉え、どうハッピーに働くかという課題の解決に向けて一緒に進んでいきたい」と意気込んだ。
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