襟裳岬緑化地帯で現地学習【えりも】
【えりも】道立北の森づくり専門学院(旭川市)の1年生35人が12日、襟裳岬国有林の緑化地帯を見学して緑化事業の取り組みを学んだ。
同学院は、林業技術者を養成する2年制の教育機関。学生が道内各地の特徴的な森林や特色ある林業・木材産業関連施設などの見学を行う「地域見学実習」で来町した。
2台の大型バスで襟裳岬駐車場に到着した一行を、日高振興局の峯岸敏行林務課長らが歓迎。そこから日高南部森林管理署えりも治山事業所の島下靖博治山技術官の誘導で、百人浜道道沿いの第2展望台駐車場、さらに徒歩でクロマツ林内の歩道を登って展望台へ。眼下に緑化事業地帯が一望でき、さらに植樹したクロマツの苗木を強風から保護するためのハードルフェンスを目前で見学できる場所。
島下技術官は資料を配布して、明治時代以降にえりも岬地区に入植した住民が建材や燃料で森林を切り払い、さらに同地区特有の強風で表土が飛ばされて砂漠同然になった国有林192㌶の緑化に1953年(昭和28年)から取り掛ったこと。クロマツの苗木を強風から保護するために地元住民の知恵で雑海藻を利用して成功したこと。
治山事業68年が経過した現在も地域住民がこぞって毎年の育樹祭に参加し、さらに町内の中学・高校生が中・高一貫教育で、毎年広葉樹の苗木植樹とクロマツの枝払い作業に従事。2006年(平成18年)には、天皇・皇后両陛下が緑化地帯を行幸啓、さらにJAICA(国際協力機構)の視察も続いたことなどを説明した。
学生たちは、晴天下の展望台から大海原と広大な植林地帯を眺望し、ハードルフェンスに守られて生育中のクロマツ苗木に大きな関心を寄せて1時間余の見学に満足気の様子だった。
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