新酒米候補「北冴」試験醸造酒 25日発売 奥行きのある味 箱館醸蔵【七飯】
箱館醸蔵(町大中山1)は25日、道総研が開発した道産の新たな酒米候補「北冴(きたさえ)」の試験醸造酒「試(こころみ)」を数量限定で発売する。国内最高品種の山田錦を遺伝子に持つ道産酒米の新品種で、コメのうま味が感じられる奥行きのある味に仕上がった。道内3カ所の酒蔵で試験醸造しており、道南では同社のみ。
醸造試験は、醸造適性を既存の道産酒造好適米と比較検討し、醸造特性や酒質を明らかにするのが狙い。同社のほか、田中酒造(小樽市)、上川大雪酒造・碧雲蔵(帯広市)が実施。
道総研中央農試から醸造試験の協力依頼があり、箱館醸蔵に割り当てられた玄米は1020キロ。昨年10月26日に試験を始め、12月28日に初搾りをした。北冴は酒造好適米として道の優良品種認定を目指している。
同社によると、北冴は既存の酒造好適米「彗星」「吟風」「きたしずく」に比べ、粒が大きい上、水分を吸いやすいため酒を造った際にうま味や香りが出やすいという。
同社の冨原剛取締役(47)は「すっきりとしたきれいな味で、道南の海の幸を使った料理に合うのでは」と話す。
商品は、無ろ過生原酒と火入れしたものの2種類で、共に精米歩合60%、アルコール分18度、720ミリリットル入り2420円。各600本限定。
七飯町内の冨原商店や道の駅なないろ・ななえ、函館市内の地酒・ワイン屋みのや、北斗市内の酒舗稲村屋などで扱う。
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