「北海道から世界を変える半導体を作る」と強調する清水さん

　次世代半導体と北海道の未来を考えるセミナーが２０日、室蘭工業大学（室蘭市水元町）で行われた。ラピダス代表取締役専務執行役員オペレーション本部長の清水敦男さんが講演し、「未来をつくる半導体を、北海道で生み出そうとしている。北海道から世界を変える半導体を作る。ぜひ期待してほしい」と呼びかけた。

　北海道経済部産業振興局次世代半導体戦略室が主催。道内各地で開催されており、胆振管内では初めて。清水さんや同大の松田瑞史学長らが講師を務めた。

　清水さんは「半導体はずばりＡＩ（人工知能）」と位置付け、半導体が産業用ロボットや介護、遠隔医療、ネットショッピングなどで使われている事例を説明。ＡＩの活用と同時に、莫（ばく）大な消費電力の確保が課題となっていることに触れ「微細化や専用チップの開発などで消費電力を小さくする。エネルギー問題を解決しないと広まらない」とポイントを話した。

　技術を引き継ぐ人材育成を重要視し、道内の小学生を対象に出前授業を行っていることを紹介した。材料調達の中継基地（ターミナル）を全国３カ所に設けており、道内の引き受け場所については「おそらく苫小牧」とした。

　松田学長は「半導体と私たちの暮らし」と題して、地域と連携した研究内容や、同大での半導体関連の取り組みなどを紹介した。