函館市は今年度、車いす使用者や障害者、高齢者、妊産婦など、誰もが利用しやすいユニバーサルデザイン（ＵＤ）タクシー９社３７台の導入を補助する方針を固めた。市は２０１８年度から補助制度を設けており、これまで２７台、８１０万円の補助実績がある。市は、市民の利便性向上や観光客の移動の足を確保するため、ＵＤタクシーの導入促進を継続して後押しする考え。

　４日の市議会第４回定例会の予算特別委員会総務分科会で、市戸ゆたか氏（共産党）の質問に、渡辺大輝交通政策課長が答えた。

　国は２０１１年に「移動等円滑化の促進に関する基本方針」を改正し、ＵＤタクシーを含む福祉タクシーを、２０年度までに全国で２万８０００台に増やす目標を掲げ、２１年度には新たな目標として、２５年度までに９万台を導入するとしている。

　国は車種に応じて１台あたり６０万円、４０万円を補助。国の内示を受け、市が半額を助成するもので、３０万円が３１台で９３０万円、２０万円が６台で１２０万円の計１０５０万円を今年度一般会計補正予算案に計上している。

　市は１８年度が５社５台、１９年度が６社６台、２０年度が１社１台、２１年度は実績がなく、２２年度の繰り越し分を含め２３年度は４社１５台の計２７台、８１０万円を補助してきた。個人タクシー事業者も補助対象になるが、これまで補助金の交付実績はない。

　渡辺課長は「市内でのＵＤタクシーの台数は一定程度増加しているが、一層の普及を図るため、国の動向を注視し、引き続き国の補助金と協調した支援を行っていきたい」と答弁。

　また、ＵＤタクシーを利用する市民のメリットについて「従来型タクシー車両に比べ乗降口や車内空間が広いため、乗り降りしやすくゆとりがあり、車いすのまま乗り降りできる、荷室が広いなど、健康な人はもちろん、足腰の弱い高齢者、車いす使用者、ベビーカー利用者、妊産婦などが安心して乗車でき、移動の利便性が高まる」とした。