国際サミットへ参加する富川高生（左２人目から）柏木さん、丹野さん、大倉さん、べレンズエラさんらが大鷹町長（左）を表敬訪問

【日高】９～11日フランス・パリのＯＥＣＤ（経済協力開発機構）本部で開かれる「Ｅｄｕｃａｔｉｏｎ２０３０プロジェクト∞無限大」国際生徒教師サミットに参加する富川高校（尾崎慎一校長）の生徒４人と引率の教員１人と校長が11月27日、町役場で大鷹千秋町長を表敬訪問した。渡航するのは公募に応じた生徒３人と引率教員１人。

　同サミットは「学校が変われば、未来が変わる」の精神のもと、Ｗｅｌｌ―ｂｅｉｎｇあふれる学校の実現に向けて、社会に存続するさまざまな壁を越えて教育の未来について議論し提言を行うもの。複雑で予測が困難な２０３０年の世界を生き抜くために、生徒たちに必要なことや、育成方法などを検討している。

　今回は世界24カ国から１１２校、日本から31校、北海道からは富川高校が唯一参加する。同校は昨年３月「地域ぐるみの水道維持管理支援」に関する調査研究を日高町の協力のもと、富川高校、富良野高校、北海道立総合研究機構と行い第25回日本水大賞・厚生労働大臣賞を受賞している。同年６月受賞式に出席したことがきっかけとなり、同プロジェクトへ参加。ＯＥＣＤ本部からの提案でオーストラリアの高校と共創の取り組みが始まり、昨年の水に関わる活動も続けた。今年５月にはインドネシアのバリで３年に１度の世界最大級の水問題に焦点を当てた国際会議「第10回世界水フォーラム」にも招待された。

　郡部の小規模校が日本水大賞や世界水フォーラムでの発表など地域と連携した質の高い探究学習を実践していることが高く評価された。渡航に必要な経費３５０万円をクラウドファンディングで募り、合計約１２５万円が集まった。不足分については町が負担する。

　グループリーダーの柏木風奏（かなで）さん（２年）は「パリ訪問でいろいろな国の人たちと交流を持つことは、貴重な体験なので、しっかり自分の思い出にし、研さんを積んできたい」、生徒会長の丹野湊妃（みなき）さん（同）は「たくさんの国の人たちの学校を良くするアイデアを聞き、自分の高校に還元できるよう頑張ってきたい」、４人は「自分たちの学校や社会に対する不安、ストレスを感じていることなどを知ってもらい、改善できる点はこれからの入学生の為にも役立てたい。同年代の人たちと交流し授業の中でもコミュニケーションが取れるようにしたい」など意気込みを話した。

　大鷹町長は「しっかり自分たちのやろうとしたことを発表できるように頑張ってほしい。たくさん写真を撮っておいしいものを食べ、帰ってきたらいろいろ教えてくれるとうれしい」と激励した。