海中転落者救助の技術向上を図った合同潜水訓練

　室蘭海上保安部は１８日、室蘭港南防波堤付近の海域で、室蘭と登別の両市消防本部との合同潜水訓練を実施した。車両転落などを想定した要救助者の捜索と救助を通して、万が一の際の手順や連携を確認した。

　同保安部が２０１３年に室蘭市消防、１４年に登別市消防と締結した水難救助に関する覚書に基づき１６年から実施。今回は２年ぶりに行い、両市消防本部の潜水士９人を含む関係者ら２２人が参加した。

　訓練は、消波ブロック付近の海中に人の乗った車が転落したという想定。この日は冬型の気圧配置の影響で気温が低く、強風で波が立つ悪条件。その中、隊員たちは海中に飛び込み、潜ったり泳いだりして体を慣らした後、海中を捜索。転落者に見立てた人形を発見次第陸に引き上げて搬送するなど、迅速な救助を目指した。

　室蘭海上保安部の平山仁志部長は「海保には潜水士がいないため、緊急時は消防の協力が必要になる」と訓練の意義を強調。今回は厳しいコンディションだったが「お互いに潜水や救助に関する知識、技術を共有できていた」と評した。