南極の環境に関心 長浦校長が福島・吉岡合同のプレ授業【福島】
【福島】福島小学校の長浦紀華校長は13日、12月に控える第66次南極地域観測隊への参加を前に、同校で「南極プレ授業」を開いた。同校5、6年生と吉岡小5年生計27人が南極で採取した氷に触れるなど極地の環境に関心を高めた。長浦校長は来年1月下旬に昭和基地からリモート授業を予定し、子どもたちから集まった疑問に専門家を交えて答える。
第66次隊・夏隊の同行者に選ばれた長浦校長は12月5日に日本を出発し、同9日に日本の観測船「しらせ」に乗ってオーストラリア・フリーマントルを出港。来年1月2日に昭和基地に到着予定で約1カ月間滞在する。現地からの授業は同23日、30日に2回実施する。
プレ授業では南極の広さや気候の様子、観測隊が昭和基地に向かうまでの行程を写真や動画で紹介。隊員の仕事も気象や地質、動物などの研究職ばかりではなく、機械のメンテナンス、医師、料理人など多岐にわたることに理解を深めた。
また、南極の氷と水道水の氷の違いをルーペで観察したり、水に入れて溶け方や音の違いを確認。その上で、地球温暖化によって極地の氷が減り続け、海面上昇が危ぐされるとし、長浦校長は「南極の氷は数千年、数万年の間に積もった雪が圧縮されてできる。その時間よりも溶ける時間の方が圧倒的に早い」と述べた。子どもたちは地球環境を守るための取り組みを発表したり、「基地での食事は」「ペンギンは本当にいる?」「基地の水槽の水は凍らないのか」など、南極の環境で知りたいことを出し合った。
吉岡小の佐藤琥太郎君(11)は「南極の氷が全て溶けると海面が60メートルも上がってしまうと知りびっくりした。1月の授業では南極のあまり見ることができないようなきれいな景色を知りたい」と話していた。
1月の授業は午後2時5分から福島小体育館で開催し、一般の参観も可能。問い合わせは同校(0139・47・2004)へ。
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