隙間バイトで全国初の公務員副業 町と「タイミー」連携【清水】
清水町は今年から、スポットワーク(スキマバイト)のマッチングサービスを展開する業界大手の「タイミー」(東京)と連携し、同社のアプリを使って職員が町内の農家などでアルバイトできる副業体制を整えた。人口減少が進む中、町内の労働力不足を補ったり、町の基幹産業の現場を知ったりすることが狙い。連携協定の一環で、同社のサービスを使った全国初の公務員副業に町職員2人が取り組んだ。
人手不足補い基幹産業を知る
10日の日曜朝、清水町人舞の梶山農場を訪れたのは、町商工観光課の前田真課長(54)と高橋勇生主査(34)。2人はワーカー専用のQRコードを読み込んで出勤登録を済ませると、同農場の梶山貴史さん(51)から説明を受けた。
「機械では選別しきれない規格外品の仕分けをお願いします」。作業は越冬イモの選別作業や袋詰め。梶山さんが示した見本を参考に、午前9時から約3時間、黙々と作業に励んだ。
梶山農場は約35ヘクタールの農地で、ジャガイモやビート、小麦などを栽培している。これまで、8~9月の農繁期には最大4人のアルバイトを雇い、収穫作業を行ってきた。ただ、人材派遣会社の都合で人数が集まらないこともあったという。「人手が必要な時にいないのが一番困る。週末だけでもこうして働いてもらえればとても助かる」
清水町の人口は約8800人。町によると、約4700世帯のうち農家は約320世帯。人口減少と高齢化による労働力不足が課題となる中、農繁期の人手不足は深刻だ。
町は2022年に基幹産業や民泊の副業を解禁したが、思うように浸透してこなかった。「どう募集すればいいか分からない」雇い手と、「どこで募集しているか分からない」働き手とのミスマッチが原因と分析。知名度が高く、手軽に応募できるタイミーと連携を図ることで、職員の副業を推進したい考えだ。
副業を終えた前田課長は「ジャガイモがどのように選別されているのか、実際に働いてみないと分からない。町の政策などを考える上で、基幹産業の現場を知ることは職員にとって非常に勉強になる」と話した。
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