音更町内に9日、「糀(こうじ)まんじゅう(酒まんじゅう)」の店「オトノハ」(中音更西3線10)がオープンする。神奈川県津久井町(現相模原市)出身の土屋千恵子店主(60)が、故郷の味を紹介したいと準備したもので、「子どもからお年寄りまで、幅広い年代の人たちに食べてもらいたい」と話している。
土屋さんは1963年津久井町生まれ。中音更に酪農業で新規就農した亡父の三樹孝成さん(94年死去)に連れられ、小学5年生の時に音更町に移住。東中音更小(2010年閉校)を卒業後、音更中2年時に高校進学を考えて、津久井町の祖父母のところへ身を寄せた。地元の中・高を経て東海大学英文科を卒業。就職や結婚を経て、家族とともに中音更で新規就農した。
「小さい頃に食べていた古里の『酒まんじゅう』を十勝に広めたい」と仕事の傍ら、音更町内のビジネス創出拠点「昭和商学校 Palette(パレット)」のシェアキッチンなどで商品開発に取り組んだ。
酒まんじゅうは、酒の香りはするもののアルコールは入っていないため、食べても酔うことはない。ただ酒のイメージが強く抵抗を感じる人もいるため、「糀まんじゅう」とした。昨年から町内のイベントなどで販売していた。
店は、自宅の約11平方メートルと約22平方メートルの2部屋を店舗と厨房に改修。店名は「音更の葉」をカタカナにしたもの。葉は作物を指し、「音更の作物」という意味を込めた。
米とこうじ、深層地下水で作った酒種を小麦粉とこねて1次発酵。丸めて2次発酵し、まんじゅうの大きさに成形して15分間ほど蒸す。酒種を作るのに3日間ほど、その後の工程は約8時間かかる。
1個は直径7センチ、70グラムで、まんじゅうの中には、つぶあんが入っており、180円で販売する。まんじゅうの味は、日替わりでサツマイモ、みそ、いなきび(以上200円)もある。土屋さんは「おやつ、お土産など、ぜひ一度食べてみてほしい」と話している。
店舗は土・日曜午前11時~午後4時。平日は予約販売。水曜定休。
問い合わせは土屋さん(090・8898・7378)へ。
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