ベッドメークを体験する児童

　【網走】ビジネスホテルの宿泊を通じ、子どもたちに社会人のマナーや親と離れての宿泊を体験してもらう、東横インオホーツク・網走駅前の「はじめての出張」が同ホテルで行われ、網走西小の４年生12人がビジネスホテルでの宿泊を体験した。

　午後７時、同ホテルには児童が保護者の車に送られて到着。さっそくロビーでチェックインをしたが「年齢って何歳だっけ？」と、記入にとまどう児童もおり、ホテルスタッフが丁寧に説明していた。

　手続きを終えた児童に、西原美智子支配人が声をかけると、みな大きな声でしっかりと返事。元気一杯な児童に感心しながら「ホテルでは、あまり大きな声を出してはいけないので、注意しましょう」と教わると、今度は「はぁい…」と小さい声に変わり、さっそく宿泊のマナーをひとつ身につけたよう。

　さらに、各部屋の鍵の開け方も教わった。昔はドアノブにキーを差し込んで開けたが、現在はカードキーが主流。ドアノブにカードをかざすと鍵が開き、さらに室内のホルダーにカードを刺すと照明がつくようになっているが、児童の中には家族旅行などで経験している子も多く、みな「知ってる！」とうなずいていた。

　一方、児童が不思議がっていたのが、部屋に備えられたテレビ。電源をオンにしてもテレビ放送が映らず朝食の予約、続いてホテルの紹介画像と切り替わり、児童も思わず「何これ？」とびっくりしたよう。「テレビ番組を見るには、まずリモコンの『ＴＶ』を押してください」と西原支配人から教わり「へぇー」と驚いていた。

　児童が泊まるのは、同ホテルの５階で、ワンフロア貸し切り。それぞれ割り当てられた部屋に荷物を置いた児童は、部屋の枕とカバーを手に、拠点となるダブルルームに集合。自分で使う枕を枕カバーに入れるベッドメーキングを教わった。

　続いて、児童たちが一番盛り上がったのが、ビジネスマンなら必ず経験する「名刺交換」。ホテルが用意したそれぞれの名刺を西原支配人やホテルスタッフ、また友達同士で交換し、みな社会人気分を味わっていた。

　ホテルや社会人のルール、マナーをひと通り教わった後は、アトラクションの紙飛行機コンテスト。ホテルならではの長い廊下を使い、誰の紙飛行機が一番飛ぶかを競った。

フロア貸し切りの廊下で、紙飛行機コンテストが行われた

　普通に宿泊していると怒られそうだが、そこはフロア貸し切りならでは。

　時間をかけて作ったのに、飛ばしたとたんにストンと落ちたり、軽く手から放ったのに廊下の半分を超える距離まで飛んだりと、みな〝プレミアム〟なアトラクションを楽しんでいた。

　それぞれの部屋に戻った児童は、午後10時に消灯。シングルルームで一夜を過ごした児童は翌朝午前６時に起きて朝食の後、ホテルに１泊した感想文を書き、チェックアウト。同７時半、ホテルを後にし、みな学校へと向かった。

　「はじめての出張」は、社会人の出張を体験することで親と離れての宿泊、また自立心を養ってもらおうと同ホテルが２００５年、大阪で行ったのが始まり。現在は全国各地の同ホテルで実施されており、網走でも毎年恒例になっていたが、新型コロナ禍では中止していた。