夫婦の母校の模型制作 1年かけ完成 むかわ
札幌市北区の無職佐々木勉さん(73)は、自身が卒業し、長年、校務補として勤務したむかわ町の旧鵡川小学校と、妻の母校の旧宮戸小学校の校舎の木製模型を制作した。町美幸の四季の館研修室で1~3日に開かれている「鵡川地区総合文化祭」(実行委員会主催)の会場で見ることができる。約1年かけて完成させた大作で「見た人が喜び、懐かしんでもらえるとうれしい」と話した。
佐々木さんは、旧鵡川町(現むかわ町)出身。旧鵡川小(2004年新設の鵡川中央小学校に他4校と統合)を卒業し、校務補として1983年から2011年まで旧鵡川小・鵡川中央小で勤務した。札幌には定年退職後に移住した。
模型作りは50代で始め、同文化祭に出展したこともある。今回出品した2校の模型は、旧宮戸小が23年3月に閉校したと聞いたことをきっかけに「一つの思い出として、何かを残したい」と手掛けることにした。
自身で木材を裁断して加工し、(合成)接着剤で部材を付け、水性塗料で丁寧に色付けした。旧鵡川小は自分の記憶や記念誌の写真を頼りにし、旧宮戸小はかつて同校に勤務していた苫小牧市在住の元教諭に写真を送り、細部まで確認して修正を重ねた。
完成したのは今年4月。縮尺や大きさは決めずに全体が入るよう心掛け、木造の壁や色鮮やかな屋根、煙突などを忠実に再現した。同文化祭への出品は13年ぶり。搬入時から他の展示物の設置作業に来ていた人が立ち止まって模型を見入る場面もあり、注目されている。
自身の節目の作品と位置付け、丹精込めて自分と妻の母校の模型を作り上げた佐々木さん。作品は同文化祭終了後に撤収するため「模型のことを知り、むかわ町に多くの人が来て、見てくれるとうれしい」と話した。
同文化祭の展示は、午前10時~午後6時(最終日は同4時まで)。入場無料。
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