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苫小牧民報

レトルトカレー開発 今年度中に試験販売を検討 エゾシカを特産に 鵡川高3年生3人

むかわ町の鵡川高校(柳本高秀校長)3年生の成田駿汰さん(17)、藤丸健太郎さん(18)、古川慶三朗さん(17)は、町内で捕獲したエゾシカを活用したレトルトカレー「むかわ鹿肉三氣カレー」(仮称)を開発した。地域課題探求学習「むかわ学」の一環で、エゾシカの適正な駆除と資源活用の両立を目指す。

「むかわ鹿肉三氣カレー」を開発した(左から)成田さん、藤丸さん、古川さん

 3人は2年生の時から、むかわ学の獣害対策班として農作物の食害や交通事故の原因にもなるエゾシカを地域の特産にできないか考えてきた。同様の課題に取り組んだ昨年の3年生がカレーの製造販売を提案し、基本を取り入れながら新たにレトルトで商品化しようと決めた。

 鹿肉の調達は、町春日で狩猟や鹿肉の加工品販売などを行う本川哲代さん(53)が協力した。当初、鹿肉と町産野菜を使ったカレーを作ったが、トマトの酸味が強く、カレーの味が弱い難点があった。3人は試行錯誤を繰り返し、トマトを煮詰める時間を増やしたり、スパイスを10種類にしたりするなど工夫を重ねた。

 今年9月に小樽市の食品メーカーでレトルトパックの試作品が完成。中辛のキーマカレーで鹿肉の存在感にトマトの酸味が程よく合わさり、町産ジャガイモやタマネギも使用した。パッケージも自分たちで考え、野球部で活躍した経験から同部の寮「三氣塾」のモットーにちなんで「三氣カレー!」と名付け、「元気、本気、一気」の文字も加えた。

 29日は町教育委員会や町職員などを同校に招いて試作のお披露目会が行われ、参加者から「食べやすくておいしい」と評価する声が上がった。成田さんは「理想の味になった」と胸を張り、藤丸さんは「最初はうまくいかずどうしようかと思ったが、改良できた」と喜ぶ。古川さんは「むかわの鹿肉や野菜をふんだんに使ったので、多くの人に食べてほしい」と話した。

 同校は今年度中に町内や札幌市での試験販売を検討している。

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