田中映画監督招き交流 白老日中友好協会がフォーラム 高校生や留学生ら参加
白老日中友好協会(田村文一会長)はこのほど、白老町中央公民館で映画監督の田中光敏さんらを迎えた国際友好フォーラムを開いた。北海道栄高校の生徒や北洋大学の中国出身の留学生ら65人が参加し、えりも町を舞台に制作中の映画「北の流氷(仮題)」の資料映像などを鑑賞し、映画に懸ける監督の思いに聞き入った。
田中監督は「利休にたずねよ」や日中合作ドラマ「三国志の大地」などを手掛け、「北の流氷」ではスタジオジブリ作品などで知られる久石譲さんが音楽を担当するという。襟裳岬の緑化事業を取材し、自然との共生がテーマとなっている。
フォーラムには王根華駐札幌中国総領事と青木雅典北海道日中友好協会会長も出席。2部構成で、第1部は北海道栄高と北洋大から学生10人と教員5人が参加した。田中監督は「(緑化事業に関わる人らの)諦めない心が呼ぶ物語」と映画について語り、学生らの質問に答えた。
留学生は「制作中の映画と中国との関わりは」と尋ね、監督は「どんな人にも古里がある。自分が生まれたまちを大切に思う心は世界共通だ」と応じた。「学生として日中友好でできることは?」との質問には、王総領事が「日本で友達をつくったり、日本で仕事をしたりすることで両国間の友情の架け橋になる」と述べた。
北海道栄高2年の髙橋有さん(16)は「北の流氷が訴える環境問題は、どの国も直面している。日中間だけでなく世界各国が一緒に環境について考えるきっかけになればいい」と話した。第2部は田中監督と王総領事が対話した。
フォーラムは、4月に浦河町で開かれた会に白老の関係者が出席した縁で実現した。田村直美事務局長(53)は「日本で暮らす中国の人たちと交流する場面を密にしていきたい」と語った。
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