苫小牧市沼ノ端中央３の市道沿いの街路樹のうち、エゾヤマザクラ１本が季節外れの花を咲かせた。１０月に入り、日に日に肌寒くなる中、春の赴きを感じさせるピンク色の花がお目見えし、住民らを驚かせている。

秋空の下、ピンク色の花を咲かせた街路樹＝３日、苫小牧市沼ノ端中央３

　エゾヤマザクラの木の葉はほとんど落ちた状態で、９月末ごろから徐々に開花。３日現在、数十輪の花を確認でき、まだつぼみも残っていた。

　近所に住む女性（８５）は「毎日見ているサクラで、今年も春にきれいに花を咲かせた。秋にまた見られるとは思っていなかったのでびっくり。いいことがありそう」と喜ぶ。

　サクラに詳しい市内の樹木医金田正弘さん（７７）は「今年の厳しい暑さや害虫の影響で葉が夏に落ち、最近の気候が５月の開花時期に似ていたため春と勘違いしたのではないか。エゾヤマザクラでは珍しい現象」と話した。