ワイン醸造用ブドウの試験栽培を行ってきた伊達市は27日、市内東関内町のほ場で試験栽培最後の収穫作業を行った。収量はこれまでで最も多い780キロ。市農務課は「課題だった病気をしっかりと抑え込めた」と要因を挙げた。同日、岩見沢市内の醸造所に運ばれた。来年夏にスパークリングワインとなって戻ってくる。
収穫作業は農務課と若手職員を中心に約30人が朝から実施した。市有地0・4ヘクタールで栽培している5品種のうち、ピノ・ノワールとシャルドネの計980本から職員が、優しく房をつかみ、次々と袋に移していた。
収量は初年度が766キロ。しかし2年目からは病気の問題もあり収量が落ちる課題があった。サントリーワインインターナショナルのアドバイスなどを受けながら防除方法などを行い「病気を抑えることができ、房付きもよい」(農務課)結果を出した。種類別ではピノ116キロ、シャルドネ664キロだった。
試験栽培は本年度で終了となる。今後はこれまでのデータと来年最後に完成するワインの特徴などを含め、来年度データをまとめる。市内では民間によるワイン用ブドウの栽培が行われており、データなどは民間や新規就農を目指す農家にフィードバックする考え。
農務課は試験栽培を終え一区切りついたことに「(当初は)ブドウの木が冬を越せないのでは、とも言われた」と振り返り、結果を出せたことに「市が先駆けて取り組んだ意味がある。発展的に民間につないでいきたい」と産地化へ期待を込めた。
ブドウの試験栽培は新規就農者の受け入れ相談を通し、水はけの良い土壌、雨が少ない気象条件など栽培条件が満たされている-と提言を受け2019年度から実施。サントリーワインインターナショナルの協力を得て行ってきた。
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