運転体験、採用拡大に 入社後も指導手厚く、道南バスが初の試み【室蘭】
9月1日、日高でも説明会
運転手の確保に向け、道南バス(室蘭市東町、長谷川義郎代表取締役社長)は、独自で運転体験会を初めて行うなど採用活動に力を入れており、成果も出始めている。今後も体験会や会社説明会を通し「少しでも(バスの運転に)興味を持ってもらい、採用につなげていきたい」としている。
同社では、運輸局など主催の運転体験会に参加することはあったが、より多くの人に知ってもらうとともに、運転体験を通じバス事業を身近に感じてもらうためにと、7月上旬に独自の運転体験会を室蘭中央自動車学園(八丁平)で開催した。
背景には慢性的な乗務員不足がある。10年ほど前から入社した社員数より退職者数が多くなっていた。さらに10営業所の乗務員約300人のうち50歳以上が7割と高齢化も進んでいる。同社は将来的な人手不足をにらみ体験会の独自企画を組んだ。
体験会には約60人が参加した。同社乗務員が同乗し、路線バスや都市間バスのオートマチックやマニュアルのハンドルを握り、教習コースを回った。この後の会社説明会には25人が参加した。
参加者からは「意外と運転することができた」「面白かった」との感想が多く出た。同社の吉田明労務部長は、思った以上の反応だった、と振り返りながら「まずは乗ってもらうことで、興味や関心を持ってもらえたらうれしい」と話す。
今回の参加者からは運転手2人と事務員1人を採用したほか、(採用に関する)問い合わせもあるという。
ただ、採用した運転手2人には大型車両の運転経験はない。このため、同社では、専門の教育係が一人一人に合った独自プログラムを組み、運転技術を基礎から指導。その後、運行コースでの路線実習などを重ねていく。
吉田労務部長は入社後の養成体制の充実を強調し、「大型車両の運転経験がなく不安があるかもしれないが、安心してほしい」と話している。
同社では9月1日に、静内総合自動車学校(新ひだか町)で会社説明会とバス運転体験会を開く。午前10時~午後3時で事前の申し込みは不要。問い合わせは同社、電話0143・45・2131へ。
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