落札を喜ぶ馬事コースの生徒たちと「船夢」

【新ひだか】静内神森の北海道市場で開催の１歳馬競り市「サマーセール」（日高軽種馬農協主催）に21日、静内農業高（赤穂悦生校長、生徒１６０人）生産・育成の牝馬「マドリガルスコア２０２３・船夢（のあ）」が上場し、１６５万円（税込）で日本中央競馬会に落札された。昨年春に同馬が誕生してから世話をしてきた生徒たちも感激の表情を浮かべ、競走馬としての活躍に思いをはせた。

　畜産系の生産科学科のある同校では、全国の高校で唯一サラブレッドを生産し、生産科の生徒が繁殖から育成まで携わっている。今年から２頭を上場。これまでに生産馬のユメロマンやゴーゴーヒュウガが中央競馬で勝利している。

　船夢は、母マドリガルスコア（母の父ダンスインザダーク）、父は初年度産駒が１歳となるミスチヴィアスアレックスという血統。牝で毛色は鹿毛。昨年５月17日に誕生後は馬事コースの３年生28人から愛情を注がれて育った。競りでは小清水陽人君（愛知県出身）、三浦聖晴君（苫小牧市出身）、為田大樹君（長野県出身）、藤原結美さん（新ひだか町三石出身）の４人が前日から担当した。

　当日の展示では訪れた馬主のリクエストに応えて引き馬をして状態の良さをアピール。競りでは三浦君が船夢を導き、１５０万円からスタートした競りは、１５０万円で日本中央競馬会が同校生産馬を落札。競りを見守っていた生徒や関係者はほっとした様子で胸をなでおろした。

　引き馬をした三浦君は「落札していただき良かった。競馬の世界で活躍することを願っている」、小清水君は「声が掛かるか不安だった。日本中央競馬会でみんなに愛される馬に育って活躍してほしい」とそれぞれ話していた。