観客でぎっしり埋まった歌謡ショーの会場

【えりも】えりもの夏を彩る「第49回えりもの灯台まつり」が14～16日の３日間、えりも灯台公園をメイン会場に開かれた。天気に恵まれ、町内外から訪れた２万人（実行委発表）の観客が真夏の一時を楽しんだ。

　まつり初日の14日は、えりも小５、６年生による本町商店街の鼓笛隊パレードで開幕。保護者や町民が軽快なマーチを奏でて行進する小学生らに拍手を送った。

　小学生以下の子ども輪投げ大会には１００人が参加して景品を手にして喜び、小中学生中心のえりもダンスサークルＥ―Ｈｅａｒｔｓは、ステージ上でダイナミックなストリートダンスを披露。えりも高軽音楽部の軽快なバンドライブと続いた。

　主催者挨拶で実行委員長の大西町長は「灯台まつりに、多くの企業の協賛と町民の寄付に感謝。２、３日前までは、台風の北上で開催が危ぶまれたが無事開催できて安堵している。歌謡ショーでは３人の歌手の歌声を楽しんでほしい。日高山脈襟裳十勝国立公園の実現で、えりも観光を盛り上げたい」と述べ、観客らのカウントダウンで、国の登録有形文化財・幌泉灯台記念塔が点灯し、さらに夕暮れの会場に多くの提灯が灯ると歓声と拍手が沸いた。

歌謡ショーに登場した高山巌

　歌謡ショーは、歌手の走祐介、高山巌、松浦航大の３人が、それぞれのレパートリーを熱唱し、 司会者とのトークで会場のムードを盛り上げた。「心凍らせて」を大ヒットさせた高山さんは、平成15年の灯台まつりにも出演したことを振り返り観客のノスタルジアを誘った。

　会場には、ふるさと納税が出来るシフトプラスと映画を応援する会のブース、各団体青年部や町内商店が出店し来場者を楽しませた。

　15日は、えりも中吹奏楽部と町民吹奏楽団のジョイントコンサートで開演。「東京ブギウギ」など６曲を奏で、アンコールには、国立公園実現を祝して森進一の「襟裳岬」で応じた。クイズ大会では、小学生以下が５つの問題に挑戦。正解者はステージ上で景品を貰い、最後はマリオとの記念撮影に大喜び。スマッピースタンプ会主催の「ビンゴゲーム大会」は、テレビ、冷蔵庫など総額１５０万円の景品を揃え、９５０人がチャレンジ。最初にビンゴを当てた金子紗織さん（36）は、エアコン（８万円相当）を選んで「さっそく取り付けます」と笑顔。

創作舞踊で優雅な舞を披露する小町会

　夕暮れ近い会場では、えりも岬小全児童33人による「襟裳岬少年神楽」が、笛や和太鼓の音でひょっとこと獅子舞がステージを舞い踊って会場から拍手喝采。渡部大空君（５年）は「緊張したけれど、大きな拍手をもらえて練習に励んだかいがあった」と級友らと満足げ。小町会（えりも岬）の創作舞踊は、小学生から成人女性まで、艶やかな和服姿の舞子が「マリンちゃん」などを優雅と粋に舞って観客が陶酔。郷土芸能は、町指定無形文化財のえりも駒踊りと襟裳神楽が、躍動感あふれる踊りを披露して会場を盛り上げた。

　祭りメインの花火大会は、町内外からの企業の協賛と町民の小売店レジでの寄付などで、えりも港内岸壁会場から、スターマインや水中花火など１５００発が夏の夜空を華麗に彩った。

　14日にえりも漁協倉庫内で行われた海上安全祈願祭では、大西正紀町長、坂本好則漁協組合長ら関係者が神事で安全操業を祈願した。

　16日午後７時からは「灯ろう流し」（えりも漁協本町女性部主催）が漁協市場内で仏式で行われ、大西町長、坂本組合長ら関係者20人が焼香して海に散った御霊を鎮魂。港口からは、海面に浮かべた50挺の灯ろうが、暗夜の沖へと流れていった。