演舞「太平楽の舞」を関係者にのみ拝殿で披露した「室蘭神楽」

　室蘭八幡宮例大祭は２日目の１５日、本祭が行われた。小公園では５年ぶりに「納涼盆おどり」を実施。集まった市民が夏の夜を楽しんだ。神事は総代など関係者のみで行われ、市指定の民俗文化財「室蘭神楽」の奉納も拝殿で非公開で行われた。

　「室蘭神楽」は、１９０１年に新潟県三条市伝承の三条神楽が室蘭八幡宮に奉納されたのが始まり。これを契機に２１年、神楽講が結成され、以来継承されている。神楽は昨年の５類移行後から関係者のみで神事後に奉納している。

　今回は、始めにきれいに払いものをして舞台を楽しむ「宮清め」と鍛冶屋の神様八咫鏡（やたのかがみ）を作った勤労喜びを表現した「太平楽の舞」が執り行われた。

　「太平楽の舞」を担当した室蘭神楽保存会の丹羽啓一郎さんは「５年ぶりの演舞で練習が大変でした。両手のお盆を落とさず舞うのが難しく、神様の前で失敗できないので、無事に務められて良かったです」と大役をやり遂げ、安堵の表情を浮かべた。

　３０以上の演目で祭りを華やかに彩る同保存会の榊栄一会長は「長い民俗文化財の活動を絶やすわけにはいかないので、興味を持った若い人にぜひ仲間に入ってもらいたい」と呼びかけた。

５年ぶりに市民が楽しく踊った「納涼盆おどり」