21年前の自分と再会 タイムカプセルを開封 旧春日小在校生と教職員 むかわ
旧鵡川町(現むかわ町)で2004年3月に閉校した旧春日小学校の児童と教職員約20人が13日、同校跡地にある春日生活館に集まり、閉校前に埋めたタイムカプセルを21年ぶりに掘り起こした。通学していたかつての児童9人は、20年後の自分に向けて書いた手紙や宝物、アルバムなどを手に取り、笑顔で当時を懐かしんだ。
同校は、1893年に鵡川西岸コタンの萌別(同町春日)地区の実力者、大川原カチャシヌ氏が地域の振興発展に教育が必要と説いて開いた私塾が源流。1903年に校舎が完成し、47年に春日小となった。59年には127人が在学したとされるが、少子化で児童数が減り続け、閉校した。卒業生は約850人。
タイムカプセルの埋設は、閉校に当たり20年後に掘り起こそうと企画され、2003年8月、児童が未来の自分への手紙や思い出の品を発泡スチロール製の箱に詰め込み、体育館付近に埋めた。閉校から20年となる今年に入り、大人になった元在校生たちがタイムカプセルを掘り起こそうと計画。閉校時の校長千葉博幸さん(72)ら関係者に連絡を取り、13日に再会した。
タイムカプセルは同日午前に掘り起こし、箱の中から手紙以外に宝物にしていたおもちゃやメダルなどが現れると、全員で盛り上がった。その後、屋外で昼食を取りながら、久しぶりに会った仲間や教職員らと思い出話に花を咲かせた。
当時4年生だった千歳市の自営業谷可奈子さん(30)は「学校内で撮影された写真を見て、懐かしい気持ちになった」と笑顔を見せる。20年後の自分に宛てた手紙には「自衛官になっていますか」と書かれており、春日小を離れた後、成長して自衛隊員として活動したことを思い出したという。
校長として同校に3年間勤務した千葉さんは「春日地区は地域住民の仲が良く、学校行事にたくさんの人が来ていた」と振り返る。教え子と久しぶりに再会し「大人になって家庭を持った人もいる。みんな立派に成長した」と目を細めていた。
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