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釧路新聞

鉄道貨物の役割学ぶ 博物館とJRコラボ、新富士駅や周辺探検【釧路市】

江口駅長(左端)から解説を受ける参加者

 釧路市立博物館は7月28日、JR根室線の新富士駅周辺で「開業100年!新富士駅・釧路貨物駅探検隊」を開いた。小学生から60代までの市民ら33人が、同館の石川孝織学芸員とJR貨物北海道支社釧路貨物駅の江口輝芳駅長の案内で駅と周辺を巡り、地元の鉄道の歴史や生活を支える鉄道貨物について理解を深めた。

 同社が地域の博物館とコラボするのは初めて。見学会は午前と午後の2回開き、午前の部には17人が参加した。見学前には駅近くの新富士生活館で、石川学芸員が同駅の歴史について講話。同駅は富士製紙(後の日本製紙)の工場設置に伴い開業し、かつては雄別鉄道や釧路開発埠(ふ)頭(とう)、鶴居村営軌道といった路線が接続していたこと、廃止になった鉄道は道路に転用されるなどし、各所に痕跡が残っていることを紹介した。

 続いて江口駅長が鉄道貨物の現状や物流の2024年問題への同社の取り組みを解説。道産農産品の4割が鉄道で本州へ運ばれ、収穫時期の秋が発送貨物のピークであること、釧路や帯広の貨物駅では発送量に対して到着量が少なく、空のコンテナの回送が非効率を生んでいることなどを述べた。また同社の2024年問題対策では、コンテナからトラックへ荷物を積み替える「積み替えステーション」を開設し、トラック輸送の短縮を図っていること、同駅ではビールメーカー4社の共同輸送を行い札幌からの回送コンテナを有効活用していることを紹介した。

 見学ではまず釧路貨物駅へ向かい、参加者は保冷コンテナと通常コンテナの中に入って違いを見比べたり、機関車の前で写真を撮影するなどした。駅周辺では石川学芸員の案内で、鶴居村営軌道の終点があった場所や、雄別鉄道鳥取側線跡に作られた道路などを巡り、当時の写真と現地を見比べながら、今はなき鉄路に思いをはせた。

 市内から母と参加した馬淵裕也さん(13)は「機関車やコンテナを間近に見られてよかった」と笑顔。江口駅長は「貨物駅は目立たない存在だが、生活の役に立っていることをアピールできた。鉄道貨物の強みを生かし、経営課題解決に向けた提案もしていきたい」。石川学芸員は「駅の歴史と地域の価値を再確認する意義深い見学会にできた。今後も駅に絡めた企画を検討したい」と話していた。

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