信頼の刺しゅう10周年、節目に移転開業 MARKING KOTAKE、元町に【苫小牧】
衣類への刺しゅうやプリントなどを手がける「MARKING KOTAKE」(苫小牧市)が新中野町から元町に移転オープンした。室蘭市出身の小竹秀幸さん(49)と妻の静江さん(48)が経営。開業から10周年を迎え、新たなスタートを切った。
室蘭の金属機械加工の企業で勤めていた秀幸さん。実家が刺しゅう店を営んでおり、20年ほど前に会社員を辞め、従業員として働き、腕を磨き始めた。企業向けの仕事が中心だったが、個人客からの注文にも対応していった。
2014年、一般向けの刺しゅう店がほとんどなかった苫小牧市に着目し、元町で独立開業した。千分の1単位での精度が要求される金属機械加工の経験を生かし「ミクロン単位の細かさを意識して技術を磨いていった」(秀幸さん)。
その技術は口コミやSNSで徐々に広がり、胆振・日高管内だけではなく、全国から注文が来るようになった。「お客さまのおかげで、自分の腕前は日々向上していっている」と秀幸さん。持ち込みでの依頼も多い。
「お客さまには期待以上に喜んでいただき『コタケじゃなければだめだ』と言っていただける」(秀幸さん)。その確かな技術で顧客からの信頼を得ていった。
刺しゅうデータ制作ソフトを使い、大手衣料品メーカーなどでも使用されている高速自動刺しゅう機で縫い上げる。実際の製品に施す前に何度も試し縫いを行い、縫い方や縫い目などの微調整を行う。
秀幸さんは「刺しゅうで表現することをもっと皆さんに知ってほしい。変化が多いこの時代に、本当に必要とされている物は何かを常に問い続けながら、お客さまに心から満足していただけるサービスを提供したい」と話す。
移転を機に運営法人のBAMBOUを設立。代表取締役に秀幸さん、取締役に静江さんがそれぞれ就いた。業務内容はネームやデザイン、帽子刺しゅうなど幅広く、リニューアルしたホームページ(https://kotake-name.com/)で詳細を紹介している。
10月には開業から11年目を迎える。「開業当初から地域密着の店を目指している。お客さまのおかげで、日々勉強させていただいています」
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