バイオガス発電稼働、1時間に最大250㌗ 番匠伊藤組【中標津】
【中標津】建設会社の「番匠伊藤組」(伊藤直樹社長)が家畜のふん尿を使って発電するバイオガス発電施設の建設に乗り出し、第1号として「ループライズ第一牧場」(町東当幌)で建設した発電施設が7月から稼働を始めた。敷地面積は約1㌶、総事業費は約7億円で、1時間に最大250キロワット発電でき、災害時にも活用する。
牛のふん尿から発生するメタンガスを燃やし、タービンを回して発電。資源の循環などで年間910㌧の二酸化炭素削減が見込まれるほか、一帯の臭気削減にもつながる。また、発生した電気は主に電力会社に売却しているほか、中標津町との協定に基づき、緊急用のバッテリーに充電して、災害時に避難所への非常電源としても提供するとしている。
同牧場では、町内に3カ所の牧場を運営しているが、畑作をしておらず、ふん尿の処分が大きな課題で、近隣の農家に引き取ってもらうことなどで対応してきた。「社会を豊かにすること」を掲げる伊藤社長はこれまでバイオガス発電未経験だったものの、同牧場の代表が昨年まで同社の役員だったこともあって、発電施設の建設を提案した。
事業資金には、北海道銀行のグリーンローン型サステナブルファイナンスを活用。事業が本当に環境改善効果があるのか第三者機関が検証した上で出資が決まり、2023年9月に建設が始まった。番匠伊藤組の青山英樹専務は現在、近くの仮設事務所から発電の様子をチェックしている。「地域の方々の発注でわれわれは成り立っている。地域の人により良いものが作れることを提案できるよう、まずは今の発電施設の成功を見守りたい」と話した。
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