１２年連続でボスグマとなったダイキチ（提供写真）

　のぼりべつクマ牧場（登別市登別温泉町）の２０２４年ボスクマに、ダイキチ（雄１８歳）が１２年連続で就任した。在任歴代最長記録を更新し続けており、ボスとしての現役最高齢記録にも並んだ。同牧場は「他個体を圧倒する存在感は健在」と雄５頭が暮らす第１牧場の平和を守り続ける姿を頼もしく感じている。

　ダイキチは０６年１月２７日生まれ。身長２６０センチ、体重４８０キロと雄の中でも大型で１３年７月に第２０代ボスに就任以来、その座を守り続けている。２２年に在任期間歴代最長記録（当時９年連続）を更新している。ボスグマとしての現役最高齢記録を持つ、１６代目ボスグマ「マツ」の記録にも並んだ。

　ボスグマは第１牧場での繁殖期（５月上旬～７月中旬）に威嚇時の力関係やマーキング行動（背こすり）によって決まる。ライバルのカンタ（１８歳）、マンタロウ（同）は、ダイキチが近づくと威嚇しながら後ずさりする様子が見られ、背こすりの影響でダイキチの背中が一部はげている姿も見られた。

　ダイキチは普段から双子の弟のナッツと一緒にいるが、今年は１日だけマンタロウもそばにいる様子が見られ、スタッフは「ダイキチも年齢を重ねて、性格が少し穏やかになってきている印象がある」と話す。

　牧場内の巡回行動や争いの仲裁を行うボスグマは、群れの安定には欠かせない存在。今年も第１牧場の平和維持に貢献したダイキチをスタッフは温かく見守っている。